<特殊詐欺への対応・撃退法>

年々新手の手練手管(てれんてくだ)を打ち出してくる「特殊詐欺」に警笛を鳴らそうと、岐阜県警は最近、「うまい話、鵜呑みにしないで」という啓発ポスターをつくり、スマホに不審な電話やメッセージがあれば即座に詐欺を疑い、安易なもうけ話には乗らないで!」と呼びかけています。(岐阜新聞2025年5月1日・朝日新聞2025年5月2日)

(岐阜新聞)

最近では、外国(ミャンマーなど)での闇バイト事件がありますが、こうした悪の巧妙な誘いに乗ってしまったり、SNS・動画の依存・夢中になる背景は、「両親や親子の不仲、過保護、虐待、友人関係のトラブル、成績不振などがあり、現実世界につらさを感じている例が非常に多い。」「重要なのは、親子関係や学校などの人間関係です。」と、治徳大介(じとくだいすけ)氏(東京科学大学サイバー精神医学准教授)は指摘しています。(朝日新聞2025年5月11日)

IT機器を何時間使っていいか、などの「家庭のルール」にのみ注意を集中するのではなく、家庭・学校・クラブ・習い事などの普段の生活でゆったりとした楽しさ・チャレンジ姿勢・仲間との認め合いといった豊かな人間関係がまず確保されているか?をチェックするべきなのでしょう。

この話を読んで、私は以前に新聞か雑誌だかで知ったある話題を思い出しました。それは、上記のような「闇バイト」などの巨大闇組織が、オーソドックスな進学・就職コースに乗り損ねドロップアウトし「不良少年」化した者をすばやく取り込み、闇組織員に教育する方法の一つです。闇組織は、彼を、超VIPのゴルフ場の入口近くへ連れていき、高級車で入っていく年配の客を見せて「あいつらは、お前たちのような落ちこぼれ者をとことんまでしぼりとってこの世から葬り去るのだ。あいつらに復讐しその鼻を明かしたかったら、俺たちの業務をまじめにやれ。俺たちはお前の味方だ。」と洗脳(マインドコントロール)する、というものです。まるでドラマか映画のような話ですが、私はこの話を知った時、世の中の闇の部分を見た気がして、「ウ~~~ン・・・」とうなったのを覚えています。この話の確かな典拠は遺失してしまい、今は証拠立ての責務を果たせず申し訳ありませんが、この世にはやはり残念ながらこうした世界はなくならないでいるようです。

(朝日新聞2025年4月30日)