<デジタル機器の発達・普及について>

近年、パソコン・スマホ・I-padなどのタブレットなど、IT機器が急速に普及し現在もなお日進月歩で進化しており、小・中学校でも生徒一人一台タブレットを貸し出してもらって、子どもたちは授業に・ゲームに・プログラミングに・オンライン授業にと、幅広くのびのびと使わせてもらえる時代になり、メリットは計り知れないと思えるようです。コロナ期でのオンライン授業など、風邪やコロナ発症での欠席にも、先生の補習業務を省力化するなど、良いこともたくさんあります。

また、スマホでもちょっと疑問に思ったこと・調べたいことは何でも瞬時に専門的な知識・情報は得られますし、面白いゲーム・好きな音楽のダウンロード・外国語の翻訳・インスタグラムやツイッターなどの情報発信・ラインでのデータ送受信・ネット通販・振り込みなどなど、挙げだしたらきりがないほど使用機能は拡大しつつあります。

けれども前回も述べましたように、便利なツールである反面、ネット詐欺・ゲーム中毒・視力への悪影響・現実乖離・体力低下など、新しいツールに依存しすぎた上でのデメリットも、近年多く指摘されています。

数十年前に遡(さかのぼ)るだけでも、自家用車がなくてどこへ行くにも歩くか自転車、公共バス・電車だけだった時代があり、当時は毎日数十キロ歩いて仕事をしていた人々が多くいたり、「ワープロ」「パソコン」で文章を作成することで、自分で漢字を思い出すことがしづらくなったことを実感したり、車を運転するときナビゲーターに頼ることで交通経路を覚えたり地図を読み取る能力が低下したりする、ということを鑑(かんが)みると、デジタル機器に限らず、便利な近代・現代機器に頼ることで人間はどんどん従来の能力を低下させていることに気づかされます。

子どもの教育も、そうした現代社会の劇的な変化のまっただ中にあり、良きにつけ悪しきにつけ大いに影響を受けている、ということをまずはしっかりと自覚する必要があると思います。そうすると、こうしたIT機器に飲み込まれてしまう・使われてしまう、という悪循環に陥らずに、逆に人間が主体性・自立性を失わずに主体的にIT機器を使いこなす姿勢を保ち続けることでしょう。

次回から、そのための心得・知識を一つずつじっくりと探っていきたいと思います。