<挫折・失敗への対応>

前々回まで4回ほど論述していた「非認知能力」の話に戻りましょう。

大人も子どもも、日々の生活の中で、失敗も挫折も数多く体験します。思った通りにうまくいかず悔しい思いをしたり、落ち込んだり、という経験は誰しもありますが、そんな時、周囲の人的環境が恵まれていると、立ち直り(レジリエンス)が早くたやすいものです。

「子どもの挫折は、立ち直る力を育てるチャンス

子どもが試験に落ちたり試合で負けたりと、思った結果が得られず挫折したときの対応はとても大事です。子どもの気持ちに添って対応することで、「立ち直る力」が育つきっかけになります。

そっとしておいてほしい子には、むやみに話しかけないほうがいいかもしれません。それでも、見守ることは必要です。

くやしい気持ちを吐き出したい子なら、共感しながら聞いてあげてください。結果はどうあれ、がんばったところをほめることが大切です。努力が足りなかったなどと責めると立ち直りにくくなります。親自身の挫折体験を話してあげるのもいいかもしれません。子どもにとって、挫折経験は自分を見つめ直して成長する機会でもあります。」(『ずるい子育て』親野智可等氏著・ダイヤモンド社・2024・P222~223)

 

 

 

 

 

 

これを読むと、子どもの性格をふまえた対応が必要だということがわかりますね。

同様に、失敗や間違いにおびえずのびのび・大らかにチャレンジすることの大切さを説いている絵本があります。

「みんなどしどし手をあげて まちがった意見を言おうじゃないか まちがった答えを言おうじゃないか」(『教室はまちがうところだ』蒔田晋治著・子どもの未来社・2004・P2)

学校・幼稚園では、授業でも生活上でも、毎日さまざまな課題に直面し、子どもたちは否が応でもチャレンジしていかなければなりません。そんなときも、この絵本の真の意図を思い出しながら取り組むと、気が楽になって思い詰めすぎずに取り組めますよ。