<家庭での安心・安全>

前回の本欄で、「非認知能力」を育てるためには、子どもが自分から興味関心をもったものに没頭させることが大切だ、という話を述べました。

「親力(おやぢから)アドバイザー」は、続けて次のようにおっしゃいます。

「そしてさらに大事なのは、そのような体験をさせる以前に、お子さんが毎日安心・安全な家庭環境で過ごせているかどうかということです。例えば、ご両親が激しい喧嘩ばかりしている家庭では、子どもは安心・安全を感じられません。なぜなら子どもというのは誰かに育ててもらわないと生きられないので、ご両親の仲のよさは、自分の生活や、ひいては命に直結するからです。そのような不安な状況に置かれていたら、非認知能力をのびのびと伸ばしていくことは難しいと言わざるを得ません。

心安らぐ環境があってはじめて、子どもは安心して自分の興味関心に従って行動することができます。子どもを伸ばそうとする前に、家庭が子どもにとって安心・安全な環境になっているか、振り返ってみてはいかがでしょう?」(『ずるい子育て』親野智可等(おやのちから)氏著・ダイヤモンド社・2024)

まったくその通りですよね。私自身も、幼少のころ両親が何かの問題で言い争いになっていた時に、とても不安で嫌な気持ちになった記憶があります。ごくごくたまにあった、くらいの経験なので、ネガティブな人生観・社会観・家庭観を持つまでにはなりませんでしたが、こうした不安な経験は無いかできるだけ少ないに越したことはありませんよね。

もっとも、夫婦といえどもそれぞれ好みも考え方も感性も違った別々の人格なので、共同生活を長く続けていって「鴛鴦(おしどり)夫婦」になっていくためには、学び合い・尊重・尊敬し合い・協力し合いが必要ですよね。