当園での子どもたちのことばです。職員室前の廊下で、年長児T君がY.君に「廊下を走ってはいけません! やり直し!」と言っているのを職員と一緒に聞いて、普段の指導の効果(?)てきめん!といった感じで、思わずお互いに苦笑いしてしまいました。
ある教育専門家が、「おじいさん・おばあさんのごく普段の口癖さえ、そのままそっくり子どものことばの教育になります。」と述べている文を読んだことがありますが、おしゃまなタイプの年少の女の子が「幼稚園で「うちのおじいさんが、「会社でもう要(い)らん。」て言われたで、今は家におるよ。」と言ったよ。」という職員の話を聞いて、絶句したり爆笑したりしたこともあります。私たちはこうした子どもたちのことばをおおらかに楽しんでいますが、他面、子どもたちは毎日乾いたスポンジが水を吸い込むように周りの大人やテレビのことばを(良いことばも悪いことばも)そのまま覚えていくのだなあ、と多少恐ろしくも感じています。
「しいたけさようなら!」 (ンッ!!??)
子どもたちの言葉遊びも発展しています。ある年長児の歌う「いちご、にんじん、さんま、しいたけ・・・♫」という数え歌をある年少児がおぼえ、さらに「しいたけ」の語が気に入ったらしく、お別れのあいさつに「しいたけ・さようなら!」と子どもたちからユーモアたっぷりに呼びかけられました。子どもたちの柔軟で独創的な発想に学びたい思いです。もちろん、下品なことば・汚いことば・人を傷つけることばなどはたしなめなければなりませんが、日々新しいことばを覚え使い、自分の気持ちや思いつき・ひらめきを一生懸命自分のことばで表現しようとして柔軟に頭を働かせようとする子どもたちの姿は、おおらかに楽しみながら温かく見守りつきあってあげたいものですね。