食育について

私も中年を過ぎ、「実年」と呼ばれる年になって、自分の健康に気を遣うようになりました。初歩的・基本的なレベルからあらためて「健康とは何か?」「どうすれば健康を保てるか?」を問い、講習会や・新聞・雑誌の記事でも書名でも、「○○の病気にかからない・老化をできるだけ進めない心得」などの文言・健康法によく目が留まるようになりました。そしてたくさんの記事や専門書・啓蒙書を読むうちに、さまざまな病気の予防は結局はいくつかの要点にまとめられるというふうに、まったくの素人ながら思えてきました。それをいくつかの柱に整理してご紹介します。

〈食事についての基本的な心得〉
野菜・肉・魚(肉よりも魚を多く)・炭水化物・果物等の各種をバランスよく・よくかんで・適量を食べる。

〈各論〉
(1)野菜・果物について
季節に応じた旬・新鮮な野菜を多く食べる。
ビタミンA:緑黄色野菜(にんじん・かぼちゃ・ほうれん草など)・卵・肝(レバー)
ビタミンB6:野菜(パセリ他)・にんにく・バジル・穀類
葉酸:・ほうれん草・枝豆・モロヘイヤ・干し椎茸・パセリ・アスパラガス
ビタミンC:果物・野菜(ピーマン・ブロッコリー・菜の花・ほうれん草・かぶ菜・小松菜・キャベツ・のり・緑茶・じゃがいも)

(2)魚・肉・卵など
亜鉛:牡蠣・卵・納豆・するめ・レバー・落花生
マグネシウム:大豆・海藻類
セレン:卵・魚介類・レバー
ビタミンB12:魚(さけ・ます・いわし・あゆ)・魚介類(しじみ・あさり)・のり
フコキサンチン:海藻(昆布・わかめ等)・貝類(牡蠣・ほや)
ビタミンD:魚(サーモン他)・きのこ・牛乳・ヨーグルト・牛レバー・卵・太陽光を浴びると取れる。
セサミン:ごま

(3)発酵食品(味噌・漬物・チーズ・納豆・酢など)乳製品・乳酸菌食品(チーズ・ヨーグルト)で腸を元気に!
(4)果物:イノシトール:果物・豆類・穀物・ナッツ類
「朝の果物は金、昼は銀、夜は銅」(ヨーロッパのことわざ)
(特に、朝食の30分前に食べるとよい)←何故かは、ネットで見れます。
(4)概ね和食(風)が良い。(味噌(汁)・豆腐・納豆・緑茶・漬物・梅干し・らっきょうなど)
茶カテキン:緑茶(うがいにも良い)(のどに入ったウイルスを胃に流し込んで殺してしまう) 血液サラサラ・癌封じなど多くの良い点がある。

これらの情報は、あくまで理想ですので、「全部満たさないといけない」と受けとめるのではなく、「少しでも近づけるよう努力する目標」と受けとめてください。

大人と子どもの食事の違いと関連については、次回以降に述べます。乞うご期待!

食育について

朝起きて一日の始まりにする大切な生活習慣は、朝食ですよね。これからは、健康・からだ育てのために大切な食育・食習慣について考えていきましょう。

食育・健康な食生活について新聞・雑誌・書籍などで話題にされる諸問題を整理してみると、大まかに二つの柱に分けられます。一つは、「何を食べるか?」 二つは、「どのように食べるか?(方法や、環境・状況など)」です。まずは、「何を食べるか?」について述べましょう。

成長や活発な生活に必要な栄養を摂取するためにバランスよく食材を選ぶのによく示されるのが、「3色食品群」です。

①赤の仲間:魚・肉・豆・豆製品など:血・肉・骨などからだをつくる

②黄の仲間:ご飯・パン・芋・油など:からだを動かす力になる

③緑の仲間:旬の野菜・果物など:病気にならないようにからだを守る

まずはこの3種類の食材が、偏らずいつもバランスよく取り入れられたメニューを食べるように心がけましょう。

  

朝、子どもを起こすには、アラームよりも親の地声で名を呼んで

成長期の子どもは、どの年齢でも本来強い睡眠欲求がありますから、特に朝ぐっすり眠っている子を起こすのに苦労されている親さん方も多いと思います。この問題に関して、最近の新聞記事で大変興味深いものがありました。

「滋賀大の大平雅子教授(38)らはある夏休み、小学生13人を研究室に招き、一人ずつ昼寝してもらった。深い眠りに落ちたことを脳波で確認し、待つこと5分。3通りの音声を同じ音量で聞かせ、目覚めるまでの時間を比べた▼ピッピッピの電子音だと平均310秒。それぞれの母親にあらかじめ録音してもらった声だと31秒。見知らぬ女性の声だと26秒だった。二つの声の差は統計学上、誤差の範囲内にあった▼いつものアラームがここまでふるわないとは。「音より声、声より名の方がインパクトが大きいとわかりました」と大平さん。父親の声であれ、声優の声であれ、同様の結論が得られるとみている」実験での声かけには、「「いつまで寝てるの」「いい加減に起きて」は一律に封印をお願いしたそうだ。全国の保護者の皆さん、朝はガミガミ言わなくても名前の連呼だけでどうやら十分。電子音の10倍効きますから。」(朝日新聞・天声人語・2021年8月25日)

この新聞コラムが伝えようとするメッセージは、すこぶる明晰で分かりやすく、私があらためてコメントをつけ加える必要はないようですが、子どもとの生活全体において、温かく柔らか・前向きなことばでの対話・共感と笑い・自然な疑問を親身・謙虚に聞き合える関係、などが普段から成立していることが前提条件でしょうね。

今後、本欄で、テーマ「ことばの教育」のもとに、関連した興味深い話題をいろいろと提供していきたいと思っています。ぜひ続けてお読みください。

子どもがよい睡眠をとれるために

現代日本では子どもの寝かしつけに苦労されている親さんも少なくないようですね。本欄の前回までに、睡眠には、昼間の運動・食事・排泄・機嫌(情操の安定)・学習が関係している、ということを述べましたので、順調な睡眠のために、あらためてそれらが快調に営まれているかどうか、チェックしてみましょう。
①運動について
運動そのものについては、また後日くわしく述べたいと思っていますが、基本的に、昼間に子どもが自分の持てる体力・エネルギーを精一杯出し切って楽しんで生き生きと運動したかどうか?を確かめてみてください。疲れも「心地よい疲れ」と達成感・満足感を感じられるくらいが良いと思います。
②食事について
食べる量や種類の好みには個人差がありますが、楽しく好んで食事できているでしょうか? 必要な量や種類が与えられていないことがあれば論外ですが、与えられすぎも問題です。「あ~、おいしかった!」「ごちそうさま!」という心からのことばで食事を終えられれば最高ですね。
③排泄について
生理学的には、朝食直後に排便をもよおすのが標準・理想のようです。習慣の問題なので、毎日のルーティーンになっているか、ふりかえってみましょう。
④機嫌(きげん)(情操の安定)
乳幼児の生活は、心身両面にわたり、根本的に周囲・環境の大人・家族・保育者に依存しています。環境が愛情と安定・安心に満ちたもので、笑い合いのある生活環境かどうか、ふりかえってみましょう。
⑤学習について
幼児の場合は、幼稚園・保育園・こども園生活や習いごとですが、さまざまなカリキュラムにそれなりに積極的に取り組む姿勢が見られるかどうか、ふりかえってみましょう。
⑤就寝前の態勢
就寝予定時刻の1時間前には、テレビやパソコン・ゲームなどの画面から離れ、心身リラックスした状態で、寝室をほのかに暗くし寝床に入りましょう。柔らかいタッチの絵本を読んであげたり、添い寝して背中トントンもいいでしょう。この時間が、保護者にとっても癒しの時間であれば最高ですよね。
(『子どもが幸せになる「正しい睡眠」』成田奈緒子・上岡勇二著・SHC産業編集センター・2019・p18~21)

 

 

 

 

適切な睡眠の大切さ

前回は、睡眠が子どもの発育・成長にとってとても大切であることの基本原則を確認しました。今回からは、家庭での睡眠についてよく話題にされる具体的な疑問・問題をいくつか考えていきましょう。
人の生活・健康にとって基本的に大切な、食事・運動・排泄(快便)・疲れの回復・機嫌(明朗・感情の安定)・学習や仕事(作業)などは、すべて睡眠が良好かどうかと密接に関連しているので、生活・健康上のどこかに内科的な支障・異常が感じられたなら、よく眠れているかどうかを、一度振り返ってみましょう。

睡眠の知識:「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」
睡眠中の脳波・眼球の動き・睡眠の深さ(起きやすさ・起きにくさ)などを生理学的に詳しく研究した結果、睡眠には「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」という2種類の睡眠状態があることが分かっています。レム睡眠では、脳が活発に働いており、学習・体験・仕事などの記憶の整理や定着が行われています。レム睡眠中は目がぴくぴく活発に動くRapid Eye Movement(急速眼球運動)があることからREM(レム)睡眠と呼ばれています。一方、REMのないノンレム(non-REM)睡眠では、大脳は休息していると考えられ、脳や肉体の疲労回復・成長ホルモンの大量の分泌(骨や筋肉をつくる・免疫力の向上・がん予防・肥満防止など)のために重要だとされており、正常な睡眠では寝入ってから30分ほどでノンレム睡眠が始まり、レム睡眠へ移り、またノンレム睡眠が始まるまでの一サイクルは、大人ではだいたい90分なので、起きやすいレム睡眠で起床できるために、4~5回のサイクルを経て6時間~7時間半で起きるのが望ましいと言われています。大人の理想的な睡眠時間は個人差もありますし、子どもでは、大人と違ってノンレム睡眠とレム睡眠のリズムが定まっておらず、効率よく繰り返せないため、多めの睡眠時間が必要になります。(『子どもが幸せになる「正しい睡眠」』成田奈緒子・上岡勇二著・SHC産業編集センター・2019・p48~52)
子育て中の家族のよくある悩みで、寝かしつけに苦労している、という課題があります。次回の本欄で考えてみましょう。