本欄の前半の方で、(44~47号) 『3000万語の格差 ~赤ちゃんの脳をつくる、親と保育者の話しかけ~』(ダナ・サスキンド著)の名著をもとに、子どもの心・知能をすくすく・のびのび育むためには、否定語・非難語でないことばを、余裕を持ってシャワーのように投げかけてあげることが大切だ、と述べてきました。子どもへの生活上の話題をふり返ってみると、以下のようなものがあります。
- 衣・食・住(睡眠)に関する生活習慣・しつけのことば
- 交通安全などの社会生活のルール・マナーや、地域社会とのつながり・つきあい・人間関係のつむぎ合い(あいさつなど)のことば
- 社会の出来事について話し合う
- 音楽・芸術・絵本・物語・文芸など、文化を学び、味わい、楽しむことば
これら幅広い話題を、常識・良識・愛情ある保護者・保育者は、子どもの発達段階に応じて(「これわかる?」などのことばかけを通じて)必要だと思ったときにいろいろと話しかけていると思います。そうして、こどもは「おとなっていろんなことを知っているんだな。」と尊敬・信頼し知識・価値観を自分の中にとりこんでいきます。
こうした信頼関係のうえに、性に関する疑問がわいて自然に両親に質問したときは、両親なりのことば・考えでつつましく・率直に・サラッといのちの誕生の意義・意味や喜びを伝えてあげれば、性に関する秘めるべき知識・情報もあるんだな、と得心していくのではないかと思います。