ホッとできる先人のことば

本ブログの1回目に、大正から昭和初期にかけての日本の幼児教育をリードした倉橋 惣三(くらはし そうぞう)氏のことばを紹介しましたが、その理念・業績を受けついだ津守真(つもりまこと)氏(元お茶の水大学教授)の考えにも、保護者としてホッとできることばがあります。
「子どもが障害をもって生まれるのは稀(まれ)なことではない。そのときにも、日々子どもが望むことに応え、配慮をもって関わることの大切さに変わりはない。障害にだけ目をとめて心配しすぎないように、毎日を大切に育てよう。
最初の人間関係を通して、子どもは自分自身と人間と世界に対する信頼を学ぶ。成長の途上には自らの存在をおびやかされる機会は多くあるが、周囲に対して不信感をもって人生を出発させるのか、世界は基本的に信頼し得るものと確信して生きるのかによって、人生はまったくちがったものになる。
子どもとの信頼関係をつくることが、子育ての第一歩である。」
(『子どもの生活 遊びのせかい ~4歳までの成長と発達/親子でたのしく暮らす工夫~』津守真著・婦人之友社1996 P7)
子どもとは、「全面的に大人に依存する存在」です。子どもの要求に誠実に耳を傾け、子どもができることは自分でやらせ、できないことはゆったりと手をさしのべる、そんな毎日の生活が信頼を育んでいくものと思います。