子どもが幼児期から小学校へ進学すると、やはりどの親さんも学校に早くなじんで、先生や友だちと親しく好ましい人間関係をつくっていってほしい、と願うのが本音だろうと思います。しかし、現代の学校とは、明治5年に明治政府が「学制」を制定して以来150年の、近代社会特有の教育制度であり、子どもたちの多様な個性・興味関心・得意不得意の能力をいったん捨象(しゃしょう)(棚上げ)してつくりあげられたものなので、そもそも無理を背負って運営されているものです。ですから、不登校・いじめ・ネット上の誹謗中傷などの事件が後を絶ちません。
「「子どもに将来ひきこもりにならないでほしい」と心配している親御さんも多いはずです。受験、就活、仕事などの失敗が要因になるケースもあるので、失敗から立ち直る力、つまりレジリエンス(※)を高めておく必要があります。レジリエンスの基礎になる自己肯定感(じここうていかん)を育むようにしましょう。
学校や職場の人間関係がうまくいかないことが要因になるケースもあります。人間関係の基本は他者信頼感とコミュニケーション力なので、親子関係をよくしてそれらを育んでおきましょう。
特別なことをしなくても、自己肯定感と良好な親子関係のふたつを大切にしていれば大丈夫です。」(『ずるい子育て』親野智可等氏著・ダイヤモンド社・2024・232~233頁)(※resilience:①弾力性②回復力、快活、元気)
これまで「非認知能力」について縷々述べてきた課題である、①自分の好きなことにトコトンのめりこむこと、②家庭での安心・安全な環境、③間違い・挫折もおおらかに受容され、再挑戦に励まされること、につながって来ましたね。