<幼児・小学生の学ぶ力を育むために心がけること・大事なこと・実践すべきこと>4

【有益・有効な教材とは?】

①音楽鑑賞・楽器演奏・歌う。クラシック音楽がいい(胎教にも特に「モーツァルトがいい」と言われます。) 時々でいいので、本物の文化・芸術を見せる・触れさせる。
「音楽」という以上、あくまで音を楽しむ・楽しい音・音で癒されることが基本です。音楽で他者を楽しませるプロになるのではない素人なら、苦労する必要はありません。好きなジャンルを大いに楽しみましょう。

②実体験を多く持ちましょう! 外で遊ぶ。生の自然に触れる。日常生活が学習・勉強=現物を見る(町・自然を歩く、など) (ヴァーチャルよりもリアル) テレビは制限して。ゲーム機・スマホ・インターネットは、自分の頭で考える力を伸ばさないので、できるだけ少なくしましょう! 高名な科学者や宇宙飛行士たちは、口をそろえて「幼少期には、自然に大いにふれあい、自然に対する子どもの「どうして?なぜ?見たいな!」を大切にしてください。」とおっしゃいます。

③本をできるだけたくさん読む。事典・カラー図鑑などもお奨めです。幼少期には絵本の読み聞かせを習慣化しましょう。 子どもにとって良書かどうかの決め手は、「何度読んでも楽しめる・癒される・元気づけられること、読み返すたびに新しい感銘・感動が与えられること」です。ちなみに私の小学生時代に好んだ一例は、『けんはへっちゃら』(谷川俊太郎作)や、アニメでは『ムーミン』です。(今、ネットでも観れます。)(本欄2022年10月14日公開文を参照のこと)

いずれも、「あわてず、あせらず、マイペースで、じっくりと、楽しみながら」をモットーにいきましょう。

<幼児・小学生の学ぶ力を育むために心がけること・大事なこと・実践すべきこと>3

「からだそだて」のところでも述べましたが、学習も仕事も「身体が資本」と言われるように、健康な身体づくりが基本だと思います。運動・スポーツが得意かどうかにかかわらず、身体を動かすことが嫌いにならず、体調がよいことは、教育機関や社会生活・家庭生活で当面するさまざまな課題に、自分なりに積極的に取り組むのも楽しくできますよね。

【よい身体づくりのための生活習慣について】
①早寝・早起き・朝ご飯(和食が良い(パンより米飯を多く)。肉・魚・野菜・果物のバランス、適量、規則正しく、を心がけて。)
②規則正しい・良質の睡眠(PM9時(まで)には寝て、AM6時(まで)には起きるのが望ましい)(夜中をはさむPM10時~AM2時は「睡眠のゴールデンタイム」と言われます。多少、個人差もありますが。)
③よく運動する・手足をまめに動かす。外遊びを大いにさせましょう!(ボール遊び・・おにごっこ・(大)縄跳び・自転車・一輪車・などなど)
④ゆったりした深呼吸も良い。(これもやりすぎて過呼吸にならないように。)
➄メンタル面でのしつけ(基本的な生活習慣)
(1)自分からあいさつする (2)靴をそろえる (3)よい姿勢で座る (4)「はい」と返事をする (5)約束(時間)を守る
それぞれとても大切なことですが、神経質・過干渉にならないように気をつけましょう。

<幼児・小学生の学ぶ力を育むために心がけること・大事なこと・実践すべきこと>2

本欄の前回にも書きましたが、子どもは、最小限必要な基本的な生活上のしつけの他に、保護者から次から次へと指示・命令を聞かされると、迷惑感・不満感をつのらせるものです。子どもたちの反応を見ながら、押しつけ・抑圧・強制にならないように配慮したいものです。保護者が子どもに読ませたい本・やらせたい習いごとなどがあることは自然なことではありますので、「この子はこの教材にどんな取り組み方をするかなあ。」と観察することを楽しみにしながら、さりげなく身近に教材を置いておいたり、「面白そうだからちょっとのぞいてみたら?」とやんわりと誘ってみるくらいが良いのではないでしょうか?

【基本的・根本的な心得】
②決して焦らず・強制せず・先回りせずに、子どものペースで学習・体験(広義)させる。子どもの好奇心・ワクワクドキドキ感を尊重・信頼する。
「君はどう思う?」がキーワード:10年ほど前、地元の黒野小学校長であった小森先生が、PTA役員会でのあいさつで「忘れ物をしないようにするにはどうしたらいいか、君はどう思う?と私は問いかけます。」と言われたのを聞いて、「なるほどなあ。」と思いました。 ここから少しずつディベートdebate(討論・議論〉に発展させることもできますよね。 子どもが自分から見たい・知りたい・調べたいと欲求すること・夢中になること・夢を尊重する。自分で考えて選ぶ・決断する・失敗などの経験を繰り返して自立していく。あくまで、他の子との比較は慎み、その子固有・特有の良さを見い出してあげるよう心がけることが大切だと思います。

<幼児・小学生の学ぶ力を育むために心がけたいこと・大切なこと・実践すべきこと>

幼児期を終えたら、いよいよ就学し小学校での学習が始まります。読み書き・聞き取り・漢字ドリル・計算ドリル・図形など、得意・不得意・好き・嫌いにかかわらず、誰しも取り組まなければならない課題が続いていきます。発達・成長は、本来細かく上がったり下がったり(成功したり失敗したり)というジグザグの発達を繰り返しながら、全体的にゆっくりと個々のペースで進んでいくものです。こうしたジグザグの発達を経ながらも、着実に知力・学力・地頭(じあたま)をつけていくために、ぜひとも家庭で心得るべきこと・実践すべきことなどを考えてみたいと思います。

私も10数年前に、初めての子をさずかり、その子が年長から小学校入学を控えたころ、「はて、親としてどんな見守り・支援(サポート)をしていけば良いのかな?」と考え、当時新聞広告などで紹介されていた教育心理学者や塾講師等が執筆されていた啓発書を何冊か買って読んでみました。読み進むうち、それらの諸々の書がどれもほぼ7~8割同じ内容だと言っていいことに気がついてきました。それらの内容を、私なりに整理しつつ、本欄で何回かにわたって、縷々(るる)述べていきたいと思います。(どんな本を読んだかは、このテーマでの一連の諸文章の最後に掲載・紹介します。)

以下の内容の中には、これまで、乳幼児の心身の健やかな成長・発達のために留意すべき大切なこととして、述べてきたことと重複する部分も少なくありませんが、そのように気がつかれた方は、改めて復習として読んでいただければ、と思います。

【基本的・根本的な心得】

愛情ある平和な家族が、子どもを見守る・認める・サポートする・楽しむ・褒める。 温かく豊かな会話・コミュニケーション・スキンシップ(抱っこ・ハグ・頭をなでる)などにより、 愛されているという実感・信頼感が子にあること。このことが自己肯定感を育みます。叱る・怒るはできるだけ少なく心がける。(完全にゼロにはできませんが。) 親のことばは大切です。強制・過干渉・押しつけ・過保護はダメです! 過保護とは、子ができることまで親・保育者がやってしまうことです。 虐待・暴力・ 折檻(せっかん)は問題外。

お手伝いもその子にあったレベルのものを大いにやらせ、褒める。「よくやってくれたね!ありがとう!助かったよ。」など。(私自身、小学校高学年から中学生のころ、父親に境内等の葉っぱ掃除・草取りなどの手伝いをよく頼まれ、自分なりに一生懸命に取り組んだら、「一人前やれるようになったな。」と嬉しそうに言われ、私も嬉しく誇らしげにも感じたことを覚えています。)

コンフォートゾーン(自分らしいゾーン)・安心できる居場所を確保する。(コンフォートcomfort:快適さ・安心)

《子どもは③⑦⑩歳(を節目)に進化する》

0~3歳;かわいがることが、心をたくましくします。
脳の神経細胞が増え続ける時期ですが、神経伝達回路はまだ未熟で、大好きなお母さんお父さんからたくさん愛情を受けることが脳の発達に良い影響を与えます。
3~7歳;子どもの気持ちの整理を手伝いましょう。
増え続けた脳の神経細胞のうち、不用な細胞が消去される「間引き現象」が起きます。脳の神経細胞のベースを作って、脳の基礎を作ります。
7~10歳;自ら学ぶ習慣が「本物の頭の良さ」を育てます。
脳がほぼ大人と同じ状態になります。「自分でやりたい」気持ちが強まり「自己報酬群」が発達していきます。「自主性」が大事になります。
10歳~;努力したことに胸を張りたくなるようなほめ方を心がけましょう。
ここからが勉強適齢期です。頑張っていたら「すごいね!」とほめて、子どもの自尊心を刺激していきましょう。
(林(はやし)成(なり)之(ゆき)日本大学医学教授 『PHPのびのび子育て』2013.12月号)
「はやくはやく」「もっと上手に」「もっと立派に」などと追い求めてばかりでは、子どもも親も疲れてしまいます。発達段階を順に追ってじっくりと進んでいくことが大切ですね。あと、この発達段階は、あくまで「平均」「標準」であり、個人差もたくさんあることは、頭の片隅に入れておきたいですね。