<歩きスマホは極力やめましょう>

商店街や通勤で歩くときに、ついついスマホのメール・ラインを操作したり、魅力ある画像やゲームに見入ってしまったりしがちな方が多いようですが、他の歩行者・自転車や電柱・看板・立ち木等にぶつかってしまったりして、とても危険です。

その他にも、歩きながらスマホを操作すると、脳の情報処理能力が低下し歩行のリズムが乱れることを、京都大学の医工情報学チーム(野村泰伸教授)が実験で証明しました。

実験では、44人の健康な男女(平均22.6才)全員に、ルームランナー上で、

①何も持たずに歩く

②画面が移っていないスマホを見つめながら歩く

③スマホでゲームをしながら歩く

の3種類をやってもらいました。

通常私たちは歩くとき、1歩のストライドは連続して同じ歩幅を繰り返し、長く歩き続けるとこのストライドが少しずつ長くなったり短くなったりを長い周期で繰り返す、という「ゆらぎ」があるそうですが、スマホに夢中になりながら歩く(上の③)とこの「ゆらぎ」がなくなり、歩行の安定性が明らかに低下したそうです。これは、スマホ操作の方に脳の情報処理リソース(資源)が割かれることが原因と考えられる、という報告です。(岐阜新聞2025年・太田久史氏筆)

スマホがなくてはならない今の時代ではありますが、街を歩いたり野山を歩いたりする時くらいはスマホをしまって、緑や花・遠くの山・空・星・日の出・日の入りなどを眺めて、目を休ませたり喜ばせたりしてみてはいかがでしょう.

昔から多くの高名な哲学者は、歩きながら考える(哲学する)ことを習慣としていました。自分の中にいくつもの深い問いをたくわえつつ、開放的な自然の中で懐深い環境に包まれ自然の風に吹かれながら、思索を深めたようですね。