脳医学者・瀧靖之(たきやすゆき)氏は、幼少期に自然体験をたっぷりさせることで、知的好奇心を伸ばし、知力・学力・思考力を伸ばしていく素地となる、と主張されます。
「私はよく、子どもの脳をすこやかに育てるためにおすすめのものとして「図鑑、虫取り網、楽器」の3つが最強と話します。
知識の象徴が図鑑、自然体験のアイコンが虫取り網、そして美しいものに触れるための楽器です。虫取り網の代わりに天体望遠鏡にしてもいいし、楽器を絵筆に替えてもいい。図鑑は本で興味の種まきをし、実際の自然体験や芸術文化体験で好奇心を自由に羽ばたかせる。知識と体験をつなげていくことが、知的好奇心をぐんぐん伸ばすポイントです。」(『プレジデントFamily』2024夏号・P36~37)
小学校の理科教材で、「てこの原理」というのを、5~6年生で習うようですが、実際に野原で、棒で大きな石をてこで動かそうとした経験のない人は、てこそのものを身近に感じ原理を体感で納得することはないのではないでしょうか。
ここまで書いて、私自身は小学生高学年の頃に、少年少女向けの図鑑(『学習百科大事典・第16巻・機械とそのはたらき』を読みふけっていて、そのころ興味関心を持っていた蒸気機関車のピストン運動のしくみを見つけて、「へえ~~~~!!?? すげえ~~~~!!! よくこんなメカニズムを思いつくものだなあ~~~!!」と驚き・感心したことを思い出しました。(下の図) 石炭で湯を沸かし勢いよく出る蒸気は一方通行なのに、それを利用し円滑なピストン運動にみごとに変換するしくみに、驚嘆したのでした。その後興味が高じて、空き缶で「ミニSL」を作ろうとしましたが、みごとに失敗・挫折したのでした。