前回は、子どもに対して最低限守らなければならない「一線」をいくつか述べられていることを紹介しました。
今回は、毎日養育しながらいろいろな課題にぶつかる中で、知っておくととても役立つ基本的な心得をいくつかご紹介します。
①子どもの伸びしろを信じ、子どもの良い所・長所・得意なこと・できるようになった成長に注目し、指摘してあげ惜しみなく褒めてあげる、保護者・保育者が喜んでいることを伝える、ということです。子の欠点は、保護者としてはいろいろと見えてしまい気になるところですが、いちいち目くじら立ててあげつらうのを極力控え、兄弟や他の子と比較して指摘・叱責したり追い立てたりすることも控えることです。
氏は、こう言われます。「母親の愛は、この世のどんな愛よりも無限で純粋なものです。この愛の素晴らしさを、子どもに対して深い配慮をして示したならば、子どもはグングンと伸びていくことはまちがいない現実なのです。」(前掲書65頁)
仏教でも、人・子どもの個性・特徴は千差万別で、単純に比べることはできないし、すべての子がその子ならではの良さ・特徴・個性を持ちグングン発揮していくものだ、と説いています。「赤い花は赤い輝きを放ち、青い花は青い輝きを放ち、黄色い花は黄色い輝きを放ち、白い花は白い輝きを放つ」(『仏説阿弥陀経(ぶっせつあみだ
きょう)』)