<「架空請求」に十分に注意しましょう!>

20年ほど前から、電話での「オレオレ詐欺」などが流行・横行してきました。「交通事故を起こしてしまった」「会社に損失をあたえてしまい、弁償金を払わなければならない」「彼女を妊娠させてしまい、治療費を出さなければならない」などなど、年々新手の口実・手口が出てきて、今でも庶民を翻弄させています。こんな事件に対しても、私たちは最新の情報を学び続けて、強固に対策・対抗していかなければなりません。

携帯電話やパソコンのメールに、突然の(身に覚えのない)金銭の支払いを要求してくる通知が入ってくることがあり、「架空請求」と呼ばれています。何の実態もない請求なのですが、何重もの理屈・理論武装した強引な要求なので、つい驚き慌ててしまって、相手の思うとおりにクリックしてしまい、支払わざるを得ない状況に陥ってしまう、という例も多いようです。

いくつかの巧妙な手口の一つは、「個人情報確認済み」などと、実際には特定できていないのに見ているあなたを特定しているような表示が並ぶ、さらにその画面を閉じようとすると別の画面が現れ、すぐさまたたみかけるように料金や支払期限、罰金などが表示される、驚いて画面を閉じても次にネットを見ようとすると、また先ほどの画面が表示される、このようにしつこく何度も何度も一層の不安に陥れる方法で攻めてきます。これらは、人の心理状況に詳しい専門家も加担してプログラミングされていますから、「オレオレ詐欺」のときに孫を名乗る人物からおばあちゃんにかかってきた電話にびっくりしてしまい、あわてて銀行ATMで言われるがままの口座に高額を振り込んでしまう、というような事例が未だにあとを絶たないのです。

この不安から逃れるために「返信はダメ」と聞いていながら「取り消し、相談はこちら」をクリックしてしまい被害に巻き込まれることもあるようです。クリックをすると自動的に電話をかけてしまっている状態になったり、メールアドレスを入力させられたり、など、どんどん相手の思うつぼにはまっていきます。

根本的な対策は、実は意外と容易です。最初の怪しげなタイトルを見たとき即座に消去することです。何より大切なのは「あわてない」ことです。ネットの向こう側の悪者はあわてさせることを狙っているのですから。(上水流信秀筆・岐阜新聞「考えよう!みんなのケータイ・スマホ」・2017年9月12日・記事要約)

この記事は今から7年も前のものです。今読んだだけでも空恐ろしくなりますが、7年後の今はもっと悪知恵の手口も進化しているでしょうね。私も十数年前にしつこい電話請求詐欺に悩まされ、弁護士にSOSを求めて終結させたことがありますし、Benesseの個人情報漏洩事件の直後から、携帯メールアドレスに恐ろしい脅し・脅迫めいたメールが続き、不安ながらも即座に消去し続けたことがあります。こういったことを忘れず、正しい対策・撃退法を身に着け、SNSに触り始めた子どもたちにも「使い方を間違えるとこういう事件に巻き込まれるんだよ。」と冷静に伝えていくことが大切ですね。

イラスト・秋田茉沙美