幼少期の子どもが成長するにつれ、男女のからだの違い・大人と子どものからだの違いに気づき、興味をもったり大人に率直に質問したりすることはごく自然なことなのでしょう。「赤ちゃんはどのように生まれてくるの?」「赤ちゃんはどうやってできるの?」など、性に関する子どもの率直(ストレート)すぎる質問に、大人の方がドギマギしたり、とっさの答えに窮したりすることは、これもよくありがちなことです。返すことばに困って、「そのうちわかるよ。」などと変にはぐらかしたり、「そんなこと、子どもは知らなくていいの!」などと押さえつけた経験をお持ちの方やそんな例を見聞きした方も少なくないのではないでしょうか。
性の問題は、私たちのいのち・人類の種の保存・人生上の大きな根本問題の一つでありながら、日本の教育界では、これまで性教育について真正面から真摯に取り上げてこなかった歴史があり、近年それを反省して、幾多の専門家・論者が声を上げて自論を新聞や著書で展開しています。欧米やその他の他国の例も参考にしながら、公教育にも取り入れられつつあります。本欄でも、個別の問題や、原理的な問題など少しずつ取り上げながら考えていきたいと思います。
次回以降を、お楽しみに。
岐阜市内の小学校の教科書『みんなのほけん3・4年』(29頁)