まず下の二つの詩をお読み下さい。
「若い?」 S・N
私が
お母さんのあとをおっていると、
髪の毛の色がハデだから、
うしろから見ると、
少しだけ若く見えました。
でも前から見ると、
どこにでもいるような
おばさんでした。
「こたつの犯人」 M・M
今日のお母さんが
こたつのスイッチを見て、
「こたつ、つけっぱなしだれ?」
とおこっていた。
弟とぼくはどっちも
「ちがう!」と言った。
その時パパが、
「あ~、オレオレ。」と言った。
いきなりお母さんは、
「あっ、ほんとー。」
とやさしくなってスイッチを消した。
どうしてパパにはやさしいの?
これは、前回の本欄でも取り上げました増田修治氏(元小学校教諭で現在白梅学園大学准教授)が、クラスで子どもたちに詩を書かせて、皆で評論する授業の中で出てきたとてもユーモラスな多くの詩の中の二編だそうです。(『子どもの自尊心と家族・親と子のゆっくりライフ』汐見稔幸著・金子書房2009) こんな詩がどんどん出てきて皆で味わい楽しみ合うためには、クラス内でかなり上質の信頼関係が築かれていることが必要なのだろうと思われますが、家族内でも目標としたい話しですね。