<ことばの教育>

【教育の名言】前向きの声かけが、子どもの知能を育む

前回紹介しました教育社会学者ダナ・サスキンド氏は、「テレビ・スマホ機の一方的なことばではなく、人間的・応答的なことばを乳幼児にできるだけ多くかけてあげることが、子どもの知能発達に唯一の大きな影響を与える。」と主張されます(前回の本欄)が、「ことばの内容・質も数に劣らず重要だ。」とおっしゃいます。
《できる限り少なくしたいことばの種》
命令語・禁止語・人格を否定する語
例「あんたはだめねえ。」「何やらしてもダメな子ね」「間違ってる!」
《より多く子どもに投げかけたいことばの種》
認めることば・褒めることば・(親子ともに)面白く感じることば(決して心にもないお世辞・おちゃらけではなく)
例「よくできたね。」「がんばったね。」「よく○○ができるようになったね。」「よし!いいぞ!」「その通り。」「うまくいったぞ!」(間違ったときは)「う~ん、残念だが、ちょっと違うなあ。」(人格を否定せず、すべきでない行動を正す)
例えばおもちゃの片づけを学ばせたいときの声かけは、2種あると言います。
①「おもちゃを片づけて。今すぐ。」
②「遊び終わったね。さあ、おもちゃをどうすればいいかな?」
①は、そうしなければならない、「上から」の命令です。何も尋ねていません。②は、芽を出しつつある自律性を後押ししています。これが子どもの自己制御や実行機能に及ぼす効果は大きい、と言われます。(前掲書110頁)
家庭教育は独自的・独創的(オリジナル)なものなので、あくまで各家庭でこうした主張の真意をくみ、保護者・保育者自身の言葉で語りかけていくことが大事なのだと思います。