子どもがよい睡眠をとれるために

現代日本では子どもの寝かしつけに苦労されている親さんも少なくないようですね。本欄の前回までに、睡眠には、昼間の運動・食事・排泄・機嫌(情操の安定)・学習が関係している、ということを述べましたので、順調な睡眠のために、あらためてそれらが快調に営まれているかどうか、チェックしてみましょう。
①運動について
運動そのものについては、また後日くわしく述べたいと思っていますが、基本的に、昼間に子どもが自分の持てる体力・エネルギーを精一杯出し切って楽しんで生き生きと運動したかどうか?を確かめてみてください。疲れも「心地よい疲れ」と達成感・満足感を感じられるくらいが良いと思います。
②食事について
食べる量や種類の好みには個人差がありますが、楽しく好んで食事できているでしょうか? 必要な量や種類が与えられていないことがあれば論外ですが、与えられすぎも問題です。「あ~、おいしかった!」「ごちそうさま!」という心からのことばで食事を終えられれば最高ですね。
③排泄について
生理学的には、朝食直後に排便をもよおすのが標準・理想のようです。習慣の問題なので、毎日のルーティーンになっているか、ふりかえってみましょう。
④機嫌(きげん)(情操の安定)
乳幼児の生活は、心身両面にわたり、根本的に周囲・環境の大人・家族・保育者に依存しています。環境が愛情と安定・安心に満ちたもので、笑い合いのある生活環境かどうか、ふりかえってみましょう。
⑤学習について
幼児の場合は、幼稚園・保育園・こども園生活や習いごとですが、さまざまなカリキュラムにそれなりに積極的に取り組む姿勢が見られるかどうか、ふりかえってみましょう。
⑤就寝前の態勢
就寝予定時刻の1時間前には、テレビやパソコン・ゲームなどの画面から離れ、心身リラックスした状態で、寝室をほのかに暗くし寝床に入りましょう。柔らかいタッチの絵本を読んであげたり、添い寝して背中トントンもいいでしょう。この時間が、保護者にとっても癒しの時間であれば最高ですよね。
(『子どもが幸せになる「正しい睡眠」』成田奈緒子・上岡勇二著・SHC産業編集センター・2019・p18~21)